バイオマスに変えるバイオマスで変える -子どもに語るバイオマス

その3

「ほっておいたらだめな森林」

きみたちの家には、生き物がいる? ちゃんと面倒をみてあげてるかな? 飼っている生き物は ちゃんと面倒をみてあげなきゃね。 森林だって同じこと。 人間が手を加えた森林は、面倒をみてあげなきゃいけない。 今、木材が売れなくなってきて、 面倒をみれなくなっている。 そうすると、どうなるか? 森林はどんどん荒れ放題になっていく。 森の生き物は貧相になり、 土は流れ、最後は山崩れ。 雨が降れば、川は洪水。 日照りが続けば、水がなくなる。

森林の木を使ってあげると、 そこに仕事が生まれ、面倒もみれるようになる。 だから、森林を守るためには、木を使うことが大切なんだ。 それもちゃんと手入れをしている近くの森林の木がいいよ。

「バイオマスの魅力」

持続可能な社会にあって、日本では、 豊かな森林が大活躍することはまちがいない。 なぜか? それは次の理由があるからだ。

1 永久に使える
バイオマスの最も大きな性質は、他の自然エネルギーである太陽、風力、水力などと同じく 永久に使える資源であること。例えていえば、森林はいわば生きている太陽電池であり、しかも同時に蓄電池にもなっている。 バイオマスエネルギーは、太陽エネルギーの固まりともいえる。石油の代わりにこれを利用すれば、 その分の石油を使わなくてすむので、地球が熱くなるのを防ぐことができる。ただし、条件がある。 しっかりと植林や手入れをしなければ、使い続けることはできない。
2 力のあるエネルギーであり、貯めることもでき、利用しやすい
木材は、高い温度で燃やすことができ、 いろいろな使い方ができる。また、自然エネルギーの中では、唯一簡単に貯めることができ、必要な時に必要な量を使うことができる。
3 公害になりにくい
木材自体には人間の体に有害な物質を含んでいない。 最もなれ親しんだ資源である(赤ちゃんがなめても平気)。これに対して、石炭・石油は、人体に有害な物質を含んでいる。 ほんとうの木材だけを、正しく燃やせば、公害になることはない。
4 燃やした灰(木灰)も有効な資源になる
燃やした後に残った灰は、ミネラル分を多く含み、有効な肥料となる。 土を良くするのに役に立つ。食べ物のあく抜きができる。焼きものの原料にすることができる。自然の循環に則った使い方ができる。
5 さまざまな資源として使える
森林から生まれる木材は、家や家具をつくる材料や容器、紙の原料になる。 また、燃料として、暖をとったり、お湯をつくったり、電気を起こしたりできるエネルギー源となる。 それだけではない、薬になり、工業原料になる。今の石油から造られている、ありとあらゆるものになることができる。

森林なしに、バイオマスなしに、持続可能な社会をつくることは不可能だ。未来は、バイオマスにかかっている。

「森に始まり、森に帰る」

太古の昔、人類がまだ始まったばかりのころ、 人間は、火を使いはじめた。 燃料は、お日さまの恵み、枯れ草や枯れ木のバイオマスだ。 そして、人類の歴史からすれば、つい最近まで(みんなはまだ生まれていないけれど) バイオマスが「薪」や「炭」という形になって、大切な燃料として、生活の中で多く使われていた。

今もそのぬくもりを楽しんでいるひとたちがいる。 あなたのおじいさんは、その生活を知っている。 それが、いつしか石炭に替わり、石油やガスに替わっていった。 みんな地下から掘り出した地下資源。 地球はもう人間のわがままを支えきれなくなった。 薪や炭は、もう過去の燃料なのだろうか? 薪や炭は、もう終わった燃料なのだろうか? 薪や炭は、「バイオマス」として、生まれ変わろうとしている。 古いけれど、新しい燃料として、資源として、生まれ変わろうとしている。 森に始まり、森に帰る。

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